バク

(人々が行き交う雑踏を眺める幻獣バク)……お!あのおなごから恋愛のモヤモヤを察知したぞ!なかなか暗い電波じゃ

K美

はぁ……。

バク

おぬし!!!!!

K美

は、はい!!!(驚)

バク

恋愛がうまくっておらぬようじゃな。
この界隈で、圧倒的なモヤモヤオーラじゃぞ。

K美

え。何?いきなり…失礼ね! ゾウに嫌味言われる筋合いはないわよ!!

バク

ゾウではなぁぁぁぁい!!!! 中国で幻獣といわれておる『バク』様じゃ!!!!
おぬしの心には金髪の男の影がちらついておるのが見えるぞい!

K美

えっ!!なんで!?あいつの生霊!?

バク

いいから話してみなさい。私がモヤモヤをすっきり晴らしてやろうぞ。

K美

ゾウに話して、本当にすっきりするのかしらねぇ?

見た目は100点!なのに中身が「どうせ俺なんか…」が口癖の不幸ぶる男だった

ふたりが出会ったのは、友達がセッティングした飲み会でのことだった。

K美

友達に言われてついて行った飲み会で出会った彼がとにかくイ・ケ・メ・ン!これまで出会ってきた男性の中でも断トツのカッコよさだったわ。面食いな私は「運命の王子様がきたー!!」とゼクシィ買いに行く勢いだったわよ(笑)それくらい、最初は私がヒトメボレだったわね。

K美さんによると外見は線の細そうな体格に金髪ヘア。芸能人でいうとDAIGO似のバンドマン風の雰囲気だったという。まさに王子様キャラである。

バク

アラサーにもなって、見た目が大事とは……。まだまだ甘ちゃんじゃのう。

K美

ほっといてよ!(怒) とにかく、その後、ふたりでご飯に行くようになってったんだけど、楽しい時間を過ごすうちに、もうすぐ付き合うだろうな~ってウキウキしてたの。でも彼の内面のナイーブさにも気づき始めて…。

バク

何があったんじゃ?

K美

薄暗いレストランで、ふたりでご飯を食べていたときに、彼の長くて暗い身の上話が始まったの。ぶっちゃけ、つまらないし、早く話を終えてお店を出たいな~って思ってたんだけど、ここはいい女を演じたいじゃない(笑)彼の話をじっと2時間は聞いてたかしらね。そのとき、彼が私の手をぎゅっと握ってきて…! びっくりして、驚いた顔をしたら“こんなに僕の話をちゃんと聞いてくれた君に大事な告白をするんだけど、実は僕は婚約破棄にあったことがあるんだ”と言われて…。

バク

こ、婚約破棄~~!?!?えらい経験じゃなぁ

K美

しかも、結婚式の2か月前だったらしく招待状も発送済み。すべてをキャンセルし、親にも謝らなければならなかった。その傷はまだ癒えていない、ということらしいの。そのくらい話をさらに1時間(笑)合計3時間、身の上の不幸話が続いたわね……。

バク

だがそんな大事な話をしたのは、おぬしのことを信頼しているということじゃろ?

K美

そうね。話を聞くのは辛いんだけど、“私だから話してくれている”という特別感がうれしくって。さらに、じっくり彼の話を聞くようになっていったわ。彼って暗いくせにおしゃべりだから、自分の話を聞いて服従してくれる女の子が好きなんでしょうね。結果的に、彼の前では私は“おとなしく話を聞いてあげる女の子”キャラを作ることで関係が深まっていったかな。

バク

実際のおぬしの性格はどうなんじゃ?

K美

本当の私はおしゃべり大好きだし、人の話聞くとかすごい苦手(笑)でも彼がそういう彼女像を求めているんだから仕方ないじゃない。必死にキャラを偽っていたわよ。

バク

自分を出せないのは、窮屈な話じゃのう

K美

でも、そのおかげでイケメンな彼と付き合うことができたのよね。

バク

……(イケメンへの執念が、すさまじいのう)。

朝4時までの不幸自慢トーク。彼の雰囲気にのまれて病んでいく私を救った友人の一言

K美さんと彼が恋人になれた期間も、彼の不幸話は止まらず、むしろ加速していったという。

K美さんによれば、彼の愚痴癖は

「俺は死んだほうがいい」

「人生80年は長いよ…。」

「めいいっぱい働いて体を壊すまでやりきりたい」

「結婚はしたいが俺の遺伝子を残すことには不安がある」などなど…。

バク

ずいぶん後ろ向きな男じゃのう

K美

地下アイドルにはまっていて、そのアイドルは「不幸な状況下でも懸命に生きるぞ」っていう歌詞が多いんだけど、自分に重ねあわせて、見事にはまっていたわね。

バク

アイドルオタクなのか…。心配じゃ…

不安定な交際を続けていたある日、K美は友人の的確な一言ではっと目が覚めたという。

K美

“それで、K美は楽しいの?”って仲のいい友達に言われたときにはっとして……。もはや好きという感情よりも、不幸話を聞きすぎて過保護な親に近い気持ちだったから(笑)楽しくはないかもしれない、って目が覚めた感じかな。

バク

しっかりした友達がいてよかったのう。そのままずるずる関係を続けていたらおぬしの心がズタズタにされそうじゃ。

K美

彼って基本的な性格は自己中心で自分の話が多いわりに、自信がないから不幸ぶるのよね。彼の闇にはいつまでも付き合いきれないと思って、じわじわ距離を取ってお別れしたわ(笑)

バク

恋愛は楽しくてなんぼじゃぞい。見た目なんか年を取れば誰もが老いていくんじゃ。次は一緒にいて楽しい男と出会えるとよいのう。

K美

その通りよね、良いこというじゃない!

バク

おぬしの1万倍は生きておる人生の先輩じゃ。良いことくらい言わせてくれい。では、おぬしの幸せを願って…。悪霊バク散っ!!!!

K美

わあ…!なにこれ? 魔法?なんだか心が軽くなった感じ! あんた、ただのゾウじゃないのね!!

バク

だからゾウじゃないと言うておろうに。ここにわしの偉大さがわかるwikiページを載せておくから、しっかり見ておくのじゃぞ。

Writer : chappy

Message

アラサ―世代が見た目のいい男に出会った時は、まず要注意。なんらか独りでいる原因があるはず。恋愛の本質は外見ではなく中身だから外見に騙されずに、じっくり観察して。ポジティブで、あなたをやさしく包んでくれるような素敵な男性と出会えますように。

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