「いいね」数の高い順に展示。今となっては貴重な情報に。

Instagramが試験的に「いいね」の非表示をスタート。SNS上では戸惑っている人、喜んでいる人、さまざまな反応が見られ興味深い状況ですね。

そしてちょうどタイムリーに先月取材に行かせていただいた、ラブリこと白濱イズミさんが開催する「デジタルと私との関係、私はどうやら数字らしい」という個展。

床一面に「いいね」数の高い順から365日分の投稿を並べる展示は、今となっては客観的に確認できない人(アカウント)もいる、貴重な情報となりました。

「いいね」数とどう向き合うか? 数字で評価される時代を一種の皮肉を込めつつ、自分なりの愛情を込めて受け止めようと今回の展示を開催した背景にどんな思いがあるのか? 教えてもらいました。

会場に入って左奥から床にずらっと「いいね」の多い順で365日分の投稿写真が並んでいる。なんとも踏みづらい(笑)。

 

自分にまつわる数字を作品に。社会へのメッセージも込めて。

床に365日分の投稿写真が「いいね」数の高い順から並べられた意図として、あくまで数字は人間より下にあるもの、靴で踏んでも構わない、本来は人間に影響を与えるものではないという意味を表現した。

 

ちなみに「いいね」数が高い投稿はやはりラブリさんの顔が写ったものや、著名人と写真を撮ったものなど、わかりやすくマス受けするものだ。

逆にメッセージ性の強い言葉などの投稿は「いいね」数は低い傾向にあり、本来伝えたいことには数字はついてこない、と感じているそう。

左上の写真がもっとも「いいね」数が多く、93,482件の「いいね」がついている。逆に一番少ないものでは9,000件台と、最も多いものと最も少ないもので10倍もの差がついている。

 

壁には、フォロワーの男女比、居住地別、などインサイトと呼ばれる本人しか知り得ない情報も公開することで、自分とInstagramやデジタルとの関係を、作品へと昇華させた。

フォロワーが最も多い市が大阪市、次いで横浜市、福岡市となっている。ちなみにラブリさんは愛媛県松山市生まれ。

 

そして正面の横長い壁には自分にまつわる数字について伝えたい気持ちを正直に綴り、自分の立場から感じる社会へのメッセージも込めた。展示中はずっとラブリさん自身の肉声による音声も流されていました。

 

「いいね」非表示によって得られるものは自由?

ラブリさんはInstagramを通して、「いいね」数やフォロワー数などの数字に仕事が影響される状況を経験してきた。

はじめのうちは「いいね」数にこだわって投稿していた時期もあったが、次第に数字で仕事内容や金額が変わり、評価されることに違和感を感じ、まるで透明の首輪を付けられているようなフラストレーションを感じるようになってしまった。

 

そこで、「いいね」数が表示されなくなったら、自分が載せたいものを載せられるようになる!と思ったこともあったが、その反面なくなったらなくなったで、不安な人もいると思う、と語る。

数字を基準に仕事をしたり、依頼していた人は、何を載せたらいいのか?何を基準に選べばいいのか?分からなくなってしまう。数字で測ることに慣れてしまった現代の人たちが途方に暮れてしまうのではないかと…。

 

そもそも日本人には「いいね」という価値観が合わないのだと思う、とも話してくれた。元々欧米から広まった「Like」は、向こうではただポジティブな意味として受け止められるが、日本では「Like」が付かないことで「良くない/悪い」と受け取ってしまう人が少なくないからだ。

実際にラブリさん自身のDMにもそういった「いいね」数やフォロワー数に対するネガティブな相談が多いそう。

あまりに数字に振り回されている人が多いと感じ、そしてそういう時代だからこそ自身の数字との付き合い方を見直し、発信したかった。

 

「インスタは温度感をもって繋がれるツール」として付き合っていく

最後に、これからのラブリさんとInstagramとの付き合い方について聞いた。

「インスタは遠くにいる人とも連絡が取れたり、仲がいい人たちともコミュニケーションできる、繋がるためのツール。今は仕事として使うことはない。」

 

自身の経験を持って、一時は数字に翻弄されながらも、自分自身との関係を作品として公開することで見えない足枷から解き放たれたラブリさん。

これからも彼女がSNS上で発信してくれる自由で力強いメッセージに、人知れず「いいね」を贈りたい!

 

「デジタルと私との関係、私はどうやら数字らしい」展
※この展示はすでに終了しています。
会期:2019年7月13日(土)~20日(土)
時間:12時~18時
場所:COMPLEXBOOST(コンプレックスブースト)東京都目黒区青葉台1-15-10

Writer : みるくり

Message

いつもより「いいね」数が少ないと気になって…という経験に覚えがある方も多いのでは?

かくいう私も「写真が良くなかったかな?」と気にしてしまうことも。

でもあくまでSNSって本来は人と繋がり、自分で自由に発信できるもの。

「いいね」数表示がなくなる今こそ、他者目線を気にしすぎず、Instagramと楽しく付き合っていきましょう!

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