猿島は、東京湾で自然林のある最大の無人島。

普段はバーベキューや釣り、夏には海水浴などを楽しむことができる場所、猿島は、京急線横須賀中央駅から徒歩15分、三笠桟橋から乗船10分と気軽に行ける観光スポット。

「Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島」は、普段は立ち入ることのできないを夜間開放し、国内外のアーティストが島内に遺る砲台跡などに、猿島の伝説や豊かな自然から着想を得た作品を発表している。

独特の空気感漂う猿島ならではの不思議な世界が味わえる、ハイセンスなアート旅へ!

 

フェリーに乗って、いざ猿島へ!

三笠桟橋にある専用窓口で受付を済ませ、ガイドマップを見ながらフェリー乗船列に並ぶ。

 

私たちは17:30発のフェリーだったが、すでに日は落ち目の前には黒い海が広がっていた。ワクワク度50!

 

フェリーも青い照明が施された作品になっている。ワクワク度70! 海風を浴びながらの移動は想像以上に寒いので、しっかり防寒をして行ってね。

 

10分程で到着。真っ暗の中に月の明るさがひと際目立つ。大きな島を目の前にすると圧倒された。月明りに導かれるように長い桟橋を歩き、島へ上陸! ワクワク度100! 

 

島とアートを堪能するため、スマホは禁止!

猿島についてからも再度受付。スマホ使いませんっと約束の上、封筒へ。辺りは真っ暗。ワクワク度120!

その日限定で開催していたキュレーター林曉甫さんによるガイドツアーに参加。ここで猿島という名前の由来となった伝説を教えてくれた。

舞台となる猿島の由来は、日蓮宗の宗祖・日蓮が千葉から鎌倉へ布教にいく途中で悪天候の難波しかけたところに、白猿が現れ陸地の方向を指差し、難を逃れることができたそうで、その時白猿が指差した島を猿島と名づけたという伝説がある。(ちなみに実際には猿はいないとのこと。)

 

街灯もない真っ暗な島を歩いていく。正直初めは怖いと思ったが、どんどん目が慣れてくる。山道を登っていくと、猿島の名前にある「猿」にちなんだ作品がお出迎えしてくれた。

トンネルの中に、紐と光で描かれた猿が浮かび上がる作品「逸話」や、横から枝に光をあてると、猿が浮かび上がる「飾音」など。この「飾音」は、島内各所に10箇所設置されているので風鈴の音を頼りに探すことができる。

後藤映則「逸話」

 

後藤映則「飾音」

 

島内にある愛のトンネル全体を使ったワイルド・ドッグスの作品では、風が吹き抜ける感覚とキャンドルの温かさを感じられる。改めて島を見直すというコンセプトのもと、全てのアートがこの島だからこそ感じられるものになっている。猿島の竹を組んだオブジェクトから光が漏れるジェニー・秦・ブルーメンフィールドの作品や、台風災害で倒れた木々を素材に使ったワイルド・ドッグスの作品も再び。

ワイルドドッグス「島の声 光、音、塩、砂、海」

 

ジェニー・秦・ブルーメン「色と景観の相互作用」

 


ワイルドドッグス「島の声 光、音、塩、砂、海」

 

海と地球の音を聴きながら、五感を研ぎ澄ます月光浴は最高

キュレーター林さん一押しの作品。ヨガマットを引いて寝そべる。聴診器を地面にあてて聞いてみる。思い思いの時間を過ごし、そこにある感覚や波の音、温度を感じる。五感の大渋滞度100!

菊池宏子《地球交響楽団》

 

完全に真っ暗闇のトンネルの中を歩き、目が慣れないと見ることができないインスタレーションもありました。恐怖にも似たドキドキ度150!トンネルの中では怖くてもライトを付けないでね。足元は平だから、壁をつたえば歩けるよ。※真っ暗闇のため、写真はありません。

マンシュー・シュライバー《猿島トンネル#2、2019》

 

仮面ライダーでショッカーの基地として使われていた建物では、「見つけた!本当の私」という広告メッセージがのぞき込むことでやっと全体を読むことができる。自然の島に、人工の広告を持ち込むことで生まれる違和感に、3度見した私。

鮫島慧《度を超えたユーモア》

 

米海軍横須賀基地も一望できる場所にある不思議な石は、光を当てると築港塗料の影響で発光する。島自体が神様が宿っているような神聖な場所だったということを思い出させてくれる。

佐野文彦《磐座》(いわくら)

 

子供たちが遊具で遊んでいる姿が映し出される面白い作品。この島が軍事施設でなければ、ここには人住んでいたかもしれない…そんなことを想像させる風景が見られる。

鈴木康広《遊具の透視法》

 

漁に使った1.7キロのロープを球体にした作品や、猿島のマップになっているキラキラしたクリスタルの作品も。砂浜エリアにある作品は唯一撮影OKでした。砂浜にすごくマッチしている、漁師さんが使った縄を集めた作品。


菊池宏子《猿山の島》 photo by Naomi Circus ©Sense Island 2019

 

博展《prism》

 

都会の喧騒を逃れ、自然と繋がる時間に心が洗われる

穏やかな波の音。日常では気にも留めなかった風の音。久々浴びた月の明かり。暗闇の山道を歩く疲労感。約1時間のツアーで、体全体で非日常を感じることができた。

疲れると自然のある場所に行きたくなるけど、猿島は絶好のリフレッシュ場所だった。

横須賀の美しい夜景は、猿島の暗闇から見るからこそ綺麗だったのだと、帰りのフェリーで振り返ったのでした。

 

今回案内いただいたキュレーター林曉甫さん

NPO法人インビジブル 理事長/マネージング・ディレクター

「日没からスタートするSENSE ISLANDは、私たちの視覚や感覚を制限しながらこの場所に漂う気配との出会いを作り出すアートプロジェクトです。この場所の地理的な特徴や歴史、逸話に参加アーティストがそれぞれの視点で向き合い様々な作品を展開してくれました。このアートプロジェクトを通し、現代社会に生きる私たちが日常生活の中で恐らく忘れかけているであろう感覚や感情を呼び起こし、自らを見つめ直す機会になればと思っています。

スマートフォンを封入し、心身の感覚をフル稼働させ各作品や島全体を体験することで感じることができるものがあると思います。暗闇に目が慣れることで見えてくるもの、耳を澄ませることで聞こえてくる音など、日常にはないひとときをお過ごしください。

おひーじょ(おひとり様女子)でお越しいただいても十分に楽しめる内容になっています。オススメは、SENSE ISLANDの後に横須賀の街で一杯してから帰宅すること。昭和の香りが残る「若松マーケット」は小さなスナックなどがたくさんありとても面白いですよ。

木金の平日は土日ほど混雑がないので、暗闇をしっかり堪能したい方におすすめしています。」

Sense Island -感覚の島- 暗闇の美術島

https://senseisland.com/

Date:2019年11月3日~12月1日(会期中の木金土日及び祝休日 18日間)
17:30〜21:30(日没以降)

Place:猿島公園

神奈川県横須賀市猿島1

Price:一般3,500円(入園料、観覧料、乗船料等含む)ほか横須賀市民限定チケットあり。
*事前購入制(peatixにて発売)
*撮影NG(一部の作品は撮影OK)

Writer : moene

Message

撮影OKなアートイベントが増えている中、あえてスマホはしまって、感覚を研ぎ澄まし、目の前にある自然と向き合う貴重な時間。真っ暗闇を歩くのも、夜の海を前に月を眺めるのも久しぶりで、島だからこその体験と、何か失っていたものを取り戻すような気持ちになれた。昼間の猿島もあそびに行ってみたい!

開催は12月1日まで、事前予約制なので、早めに予定を組んでね!

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